今回は『厳選!!初心者におすすめのジム・ジャームッシュ映画3選まとめ!!』と題して、独断と偏見でジャームッシュ映画の入り口としておすすめの3作品をご紹介したいと思います。
まずは、これらからジャームッシュ映画の世界観を知ってもらって、どんどん広がっていけたなら幸いです。
厳選!初心者におすすめのジム・ジャームッシュ映画3選!
ジム・ジャームッシュ監督プロフィール
ジム・ジャームッシュは、1953年1月22日アメリカ・オハイオ州出身の映画監督です。
ニューヨーク大学の大学院・映画学科で映画を学び、在学中に巨匠ニコラス・レイ監督やヴィム・ヴェンダース監督に師事しました。
卒業制作映画、初監督作『パーマネント・バケーション』を発表。
その後の長編2作目『ストレンジャー・ザン・パラダイス』が、カンヌ国際映画祭・カメラドール(新人監督賞)を受賞し脚光を浴びました。
2005年には『ブロークン・フラワーズ』でカンヌ国際映画祭・グランプリ受賞!!
近年も新作のゾンビ映画『デッド・ドント・ダイ』を公開するなど、今でも多くの話題を集めている映画監督です。
ジム・ジャームッシュ監督が世に広く知れわたったのが、初期3部作といわれている以下の3作品です!!
1980年に発表した1作目の映画『パーマネント・バケーション』。
1984年に発表した2作目の映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス』。
1986年に発表した3作目の映画『ダウン・バイ・ロー』。
1作目を除く、2作目と3作目は画面がモノクロなので、とてもスタイリッシュで洗練されたイメージの作品群なのが特徴です。
オフビートな物語性も相まって、とても愛らしい作品たちなのですが、色調やお話のテンポ感からいっても、だんぜん次に紹介する3作品をおすすめします!!
まずはこの3つを足がかりにしてみて下さいね。
初心者におすすめのジム・ジャームッシュ監督作品3選!
では、ジム・ジャームッシュ監督作品の中で、初心者の方におすすめの映画3つをご紹介していきます!!
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初心者におすすめ3選!
4作目『ミステリートレイン』(1989年)
5作目『ナイト・オン・ザ・プラネット』(1991年)
6作目『デッドマン』(1995年)
80年代後半から90年代中期にかけての3部作。
初期三部作が文字通りモノクロ期であるならば、この三作品はグラデーション期と言えます。
昼から夜、太陽から月へと移ろいゆく光の反射をみせながら、ただ一貫したテーマは変わらず存在している。
そんな色とりどりの色彩を放つ、ジャームッシュ映画の中では比較的すんなり心に入り込んでくれる作品だと思います。
以下で、それぞれの作品を紹介していきますね。
⌈ミステリートレイン⌋
ジャームッシュ監督の作風は、一見すると淡々とした日常や非日常がスタイリッシュに描写されています。
なので冷たいアート系フィルムをイメージしがちですが、登場人物たちの憎めない飄々とした表情やとぼけた雰囲気が、やっぱりいいんです。
作品を通して全体的に温かいユーモアとペーソスが散りばめられた、愛すべきモノたちへの眼差しを監督が切り取って見せてくれる。
そんないい距離感を持った映画を作るのがジャームッシュ監督らしさの特徴だと思います。
まさに、らしさが出ているのが本編じゃないでしょうか。
『ファー・フロム・ヨコハマ』『ア・ゴースト』『ロスト・イン・スペース』と題してこの物語は、3話のオムニバス形式になっています。
アメリカ・メンフィスの一夜を舞台に、同じホテルを利用する他人同士の3組。登場人物たちにそれぞれ起きる出来事が3編に分けられ、各話の物語が同時間帯で進んで行き、知らず知らずのうちに影響し合っているという群像劇です。
互いに知らない者同士が、それぞれ別の場所で、同じラジオ放送の音楽を聞き、同じ夜汽車を見、シンクロする会話内容、そして翌朝に耳にする一発の銃声音などが所々で効果的に説明展開をしていきます。
さらに注目すべきは、『ファー・フロム・ヨコハマ』の主役2人が日本人俳優の永瀬正敏と工藤夕貴。若かりし頃のお二人の演技にも要チェックです。
また、撮影はロビー・ミューラー、音楽はジョン・ルーリーが担当しているのも注目ポイントではないでしょうか。
ちなみに『ミステリートレイン』というタイトルは、エルビス・プレスリーの同名曲なのですが、物語で繰り返し流れてくるラジオ放送の音楽がプレスリーの『ブルー・ムーン』であるからです。
⌈ナイト・オン・ザ・プラネット⌋
こちらも5話からなるオムニバス形式で、タクシー運転手と乗客の何気ないやり取りを丁寧に描いていく密室劇。
舞台はロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキの五つの都市。
同じ夜、同じ時間にそれぞれの街を走るタクシー。決して何かドラマティックな出来事が起こるわけでもないのに、ちょっとした仕草や会話が自然と顔をほころばせてくれるんです。
若い女性運転手と大手エージェント会社のキャリアウーマン。移民してきたばかりの初心者タクシー運転手と黒人男性客。移民の黒人運転手と盲目の女性客。おしゃべりで陽気な運転手と神父。子供を亡くした事のある運転手と失業したばかりの労働者3人組の客。
ばらばらに散らばった5つの都市の夜をめぐって、限られたタクシーの中という空間で、気づけば他人同士ばらばらだった心の距離を縮めていく登場人物たち。
ひとりぼっちの夜に、そっと噛みしめたい映画です。
キャスト陣は、ウィノナ・ライダー、ジーナ・ローランズ、ロベルト・ベニーニなどで、撮影が初期デヴィッド・リンチ作品に関わったフレデリック・エルムス。
全編に流れるトム・ウェイツの音楽が、より一層この映画の孤独と可笑しみを浮き立たせてくれています。
⌈デッドマン⌋
アメリカの原風景ともいえる1800年代後半の西部を舞台に、全編モノクロで描かれる長編叙事詩的作品です。
雄大なウエスタンの世界を、冷酷ながら滑稽に、そしてだんだんと幻想的な雰囲気を帯びながら物語が進んでいくロードムービー。
ジョニー・デップ扮する主人公の名前がウィリアム・ブレイクなのですが、同じ名前の18世紀イギリスの詩人ウィリアム・ブレイクへのオマージュが至る所に散りばめられています。
ブレイクの詩の引用は勿論のこと、彼の作品の中の登場人物などの名前も出てきたりしているのも特徴的です。
途中に出会う、命の恩人 ノーボディという名のインディアンとの不思議な逃避行の先にどんな世界が見えてくるのかが見所です。
キャストにジョニー・デップをはじめジョン・ハート、イギー・ポップ、特別出演に名優ロバート・ミッチャムなどが並んでいます。
また撮影は、ヴィム・ヴェンダース作品でも知られている常連のロビー・ミューラー。
音楽を担当しているのが、米国を代表するアーティスト、ニール・ヤング。
西部劇の手法にのっとって、ウィリアム・ブレイクの詩作を下敷きにした、まるで即興詩のような世界観とアメリカ先住民的な死生観が混じり合った、ちょっと風変わりで神秘的なジャームッシュ印のロードムービーなのではないでしょうか。
実験的ではあるけど、のちのちの作品に繋がっていくような要素がそこここに見え隠れするので、ジャームッシュ作品の中でも見落とせない一つだと思います。
まとめ:初心者におすすめのジム・ジャームッシュ映画3選!!
以上「厳選!初心者におすすめのジム・ジャームッシュ映画3選まとめ!」でした。
まだご覧になっていない作品があれば、是非この機会にお楽しみ下さいね!!
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